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マスクの中に…! cocorobaスパイス通信11

ご無沙汰しました…

 

久しぶりに「釘のような形をした甘い香りの

 

スパイス」:『クローブ』のお話といたしま

 

しょう。

 

肉食中心のヨーロッパで、『クローブ』は

 

『胡椒』とともに肉の保存や調理の風味付

 

けに欠かせないスパイスだったのですが、その使い道はそれだけにあらず!

 

中世ヨーロッパで死の病として恐れられ、

 

大流行した際には、人口の6割が命を落とした

 

とされる死の病『黒死病:ペスト』

 

当時その原因は「汚れた空気」と考えられてい

 

たため、感染者を診察する医師は、天狗の鼻?

 

はたまたカラスの口ばし?とおぼしきマスクの

 

中にクローブやサフラン、胡椒やハーブを詰め

 

診察に当たっていたとの記録が残されていま

 

す。古来クローブや胡椒の殺菌・抗菌作用は

 

よく知られていましたから、スパイスにフィルター効果を期待したというワケですね

 

さらに感染者がでた家や、病院で汚れた空気を清浄化するためには、ローズマリーの

 

枝を燃やしたそう…   

 

北里柴三郎博士がペスト菌を発見するのは19世紀末で、有効な抗生物質が見つかる

 

のは、さらに もっと後…  

 

それまで人類は感染の恐怖やその対策に、藁をもつかむ思いで、ハーブやスパイスの

 

もつ薬効にすがるしかなかったんですね。

 

天狗の口ばしマスクに託した真剣な思いが伝わります。