
2019 11/26
旅行中「シノワズリ」という言葉を何度も何度も
聞きました。 東洋への憧れ…
その1つが白い肌、滑らかで透けるように薄いのにも
かかわらず硬く割れにくい『磁器』でした。
隣国プロイセンの宮廷で、中国の「景徳鎮」や日本の
「伊万里」のコレクションを見たザクセンの選帝侯アウ
グスト2世(1670〜1733)はどうしても『磁器』
を造りたい!の思いが強くなり、若き錬金術師ベドガー ドイツ全図とドレスデン
にその願いを託します、…

秘密が漏れることを恐れ、ベドガーはドレスデン
から25km離れた断崖の上に立つ中世の要塞
アルブレヒト城に監禁されての生活を強いられ
ることに…
4年間の試行錯誤の末、1709年白磁の製法を
解明すると、喜んだアウグスト強王は城内に工房
を設置 …今に続く名窯『マイセン』の誕生です!
ベドガーは、その後も高温窯や釉薬、絵具など
を独自に改良し、マイセンの磁器を「白い黄金」
と呼ぶにふさわしい品質にまで高めていくのです
が、軟禁状態は次第に彼の心身を蝕み、1719年37歳の若さで息を引き取って
します。
場内には当時の様子を現した壁画がありました…
アウグスト王に報告するベドガー お酒に溺れていく姿も…
この階段を上った先の部屋に監禁されていたベドガーは、鉄格子の窓から眼下に流れ
るエレベ川眺め、自由のない我が身を憂いていたのでしょうか…
薄暗い城内はどこを切り取っても素敵…💓



マイセンの地を訪れ、ベドガーや
アウグスト強王が身を置いた場に
たたずんで『マイセン磁器』を
見ると、また感慨が増すのでした
…