よもぎ…2よもぎを美味しく愉しむために…摘み方からレシピまで

『よもぎ摘み』の適期は朝晩まだ冷え込む早春…私の暮らす横浜では3月中旬から4月初旬です。暖かくなると成長著しく、その分葉も大きく硬くなってアクも強くなります。そして食欲旺盛な虫たちの活動が活発になりますから、その前に!初々しい新芽のうちが摘み頃というわけです。

選び方と摘み方

この頃7~8cmほどに伸びた葉を指先で軽くつまんで折れるところから摘み取ります。似た草がありますのでご注意を!見分け方は裏に白い綿毛が密集していること。葉をちぎって香りを確認すると確実です。たいてい群生していますから、確認がすんだらイザ 摘み取り…

「ブタクサ」「トリカブト」「ナガミヒナゲシ」など姿が似ている草と見分ける一番のポイントが葉裏の綿毛ですから、綿毛が密集して生えていること、独特の香りをもっていることを確認してから摘みましょう。以下右側の写真を参考にしてください。

摘んで帰ったら、広げて、一緒に摘んでしまった他の草の葉やゴミを除き、ボウルにたっぷりの水をはって洗います。できるだけ早く下処理をすることで、アク抜きの手間が省けます。

7~8cmの新芽のみを摘んですぐに使う場合は、アクもないのでほうれん草などの緑黄色野菜と同じ扱いで調理に使います。

保存方法

① 冷蔵庫で…摘んでその日のうちに調理または下処理できない場合は、水洗い後、水気を切りって、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ…2日くらいのうちに使いましましょう。

② 冷凍保存…ヨモギの新芽は冷凍保存も可能です。下茹でしてから密封袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。使う時は自然解凍で、おひたしやあえ物、汁物などに使います。

*下茹でしたものをミキサーにかけ、ペースト状にしてから冷凍しておくと、よもぎ餅やソース、スープなどのメニューで活躍してくれます。この作業方法は以下を参考にしてください。

茹で方は…

よもぎは野草ですから栄養成分も豊富ですが、アクと繊維質の処理が調理のポイントになります。7~8cmの新芽のみを摘んですぐに使う場合は、アクもないのでほうれん草などの緑黄色野菜と同じ扱いで大丈夫! 少し成長の進んだ10cm以上の葉は固い茎部分を取り除き、アク抜きも丁寧に。

『下茹で』…アクを抜くための作業です。

*春の新芽だけの場合アクはほとんど無いので重層を使う必要はありません。塩少々の熱湯で1分半~2分茹でてざるに揚げ、冷水にとります。

*少し成長の進んだ10cm以上の葉の場合は沸騰しているお湯に塩または重層(水2Lに対し重曹小1を目安に)を加え、2分ほど茹で、茹で上げたらすぐ冷水に20分程さらしておきます。さらに半日水を2~3回換えながらアク抜きします。

香りが嬉しい!色も嬉しい!春の香りの食卓使い

1)フレッシュリーフを使って…

天ぷら』に…新芽を摘んだら下茹でせず衣をつけて軽く揚げます。春の香りが立ち上る嬉しい一品

 新芽はコンソメスープやお味噌汁など汁物の具にも重宝です。

2)さっと塩ゆでして『和え物』に…新芽をさっと塩茹でして刻み、「白和えに」加えたら…            

  一気に春の一皿を演出してくれすょ。

3)ペーストで…さらに広がるレシピたち

よもぎペーストの作り方

《材料》

よもぎ  100g

塩    ひとつまみ程度 

*よもぎは3月中旬~4月初旬の新芽を使います。ボウル大(直径24cm)に半分ほ どの量が100gです。ペーストにするとジップ付きの保存袋 S サイズにちょうど収まる量です。

*新芽はアクが少ないので重曹を使う必要はありません。

《作り方》

① よもぎのゴミをとり、茎から葉だけちぎって水で洗います。

② 大きめの鍋にたっぷりお湯を沸かし、塩ひとつまみも加えます

③ 沸騰したらよもぎを入れ、1分半~2分茹でてザルにあげ、冷水にとって色止めします。

④ 2~3回水を交換しながら、20分ほど水にさらしてアクを抜き、軽く絞ります。

 絞りすぎるとフードプロセッサーが廻しにくいので〝軽く〟絞っておきましょう。

⑤ フードプロセッサーを廻してペースト状に…

 またはよもぎを包丁で細かく刻んでからすり鉢ですります。

⑥ 保存は冷凍してジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫へ…  この状態で、あらゆるお料理に使うことができます。

*絞ると葉汁が出る程度のまま冷凍し、解凍後使うメニューによって水気を絞るほうが使いやすいようです。

*線状に折れ目を入れておくと解凍時割って使えて便利です。

*製氷容器に入れて小さなキューブ状に凍らせておくと、使いたい量だけ取り出しせて、こちらも便利です。

よもぎの梅が枝餅

《材料》1人分

白玉粉     25g                                  

よもぎペースト 10~12g(白玉粉重量の3/1~半量を目安に)

餡        25g

桜花の塩漬け 1輪… 水に浸して塩分を抜き、水気を切っておきます。

① ボウルに白玉粉とよもぎペーストを入れ、軽く混ぜ合わせてから少しずつ水を加え耳たぶほどを目安に、生地の中によもぎが均一に広がるまで混ぜ合わせます。

② 手に手粉(片栗粉or強力粉)を振ってから生地を丸め、手のひらの圧をかけて広げ5mm厚の餃子の皮状に延ばし、餡を包んだら、平たい円形に成形します。ありましたら、桜花の塩漬けをにのせて…

③ フライパンに少量のサラダ油をしいて火にかけ、お餅を入れ、弱目の中火で中まで火を通し、両面に香ばしい焼き目がついたら完成です。

*よもぎ粉を使う場合は、よもぎ粉に水を加えて、こね、ペースト状にしてから同様に使います。

よもぎペーストの色が映り初々しい生地が、焼かれると艶やかに…↓

*『梅が枝餅』は太宰府天満宮の名物です。通常は白い餅生地ですが、菅原道真公のお誕生日(845年6月25日)と命日(903年3月25日)にちなみ、毎月25日にはヨモギが入った梅が枝餅が販売されます。近所のデパートで出張販売の屋台を見つけて『草餅』を期待したのですが、残念ながら午前中に完売!とのこと…。ならばと作ってみると我ながら美味し~い 上に添えた桜の花のほのかな香りと塩気が効いて、春の二重奏が嬉しいレシピになりました。

よもぎ粉を使って大人の食卓を愉しんで…

よもぎ葉を乾燥させて粉末にしたものが『よもぎ粉』です。市販品が使えるますでこちらもどうぞ…  

オーガニック製品があるのが嬉しいところです。

よもぎご飯  春が香る大人ご飯

《材料》(3~4人分)

米      2合(360ml)

干ししいたけ  4枚

にんじん   1/4本(50g)

油揚げ     1枚

よもぎ粉    大1

酒       大1

しょうゆ    大1

塩       小1/3

しいたけの戻し汁+水 400ml

《作り方》

① 干ししいたけはかぶるくらいの水で戻しておきましょう。

② 米はといでザルにあげておきます。

③よもぎ粉はボウルに入れ、かぶる程度の熱湯(分量外)を注ぎ入れて十分吸水させます。

 キッチンペパーなどで濾し、粗熱が取れたらしっかり絞り、水気を切ります。*コーヒードリッパーにフィルターをかけてから濾すと簡単です。

④ 戻したしいたけは軸を除き、せん切りにします*戻し汁は漉して炊飯に使います。にんじんはせん切りにします。油揚げは湯通ししてからせん切りにします。

⑤  調味料(酒、しょうゆ、塩)と椎茸の戻し液を合わせて400mlにします。足りなければ水を足してから、よもぎ粉も加えて溶かします。

⑥ 炊飯鍋にお米を入れ、⑤の調味液400mlも加え、しいたけ、にんじん、油揚げをのせます。*炊き上がりを均一にするため、具はお米の上にのせ、混ぜずに炊きましょう。

⑦ 鍋に蓋をし、中火~強火にかけ、沸騰したら弱火におとして10分炊飯します。その後10分ほど蒸らします。

⑧ 炊き上がったよもぎご飯を具が均一になるようふんわり混ぜて、器によそいます。

よもぎ葛豆腐の白味噌仕立て

《材料》

よもぎ粉    4g    

葛粉     25g

だし汁(鰹と昆布の混合出汁) 1cup               

牛乳     50ml

練りごま   大1

薄口醤油   小1/2

塩      少々

出だし汁(昆布出汁) 3cup

白味噌(西京みそ)  80~100g

菜の花     8本  … 塩茹でしておく

溶きからし   適量  … 汁の一部で溶きのばしておく

《作り方》

①よもぎ粉は熱湯(大1)を加えて戻し、練ってペースト状にしておきます。この時水分が多いようなら茶こしに移し、水気を絞ります。

②葛粉をボウルに入れ、出汁と牛乳を少しずつ加えながら溶きのばします。

 葛粉の塊がなくなったら練りごまも加えて練り混ぜ、薄口醤油・塩・①のよもぎも加えて混ぜ合わせ

 ます。

 

③漉しながら鍋に移し、鍋を火にかけて、練ります。底からとろみがついてくるので、練り続け、

 …全体にとろみがついてから、さらに3分ほど練り続けます。

 =とろみがついてからさらに火にかけて練ることで透明感が出て、なめらかな食感になります。

④水でぬらした流し缶に入れて冷やし、かたまったら切り分けます。

⑤白味噌を同量のだし汁で溶きましょう。

   溶きからしは汁の一部で溶きのばしておきます。

⑥器に④のよもぎの葛豆腐を入れ、⑤の白味噌を注ぎ、菜の花を添えて溶きからしをます。

②葛粉をボウルに入れ、出汁と牛乳を少しずつ加えながら溶きのばします。葛粉の塊がなくなったら練りごまも加えて練り混ぜ、薄口醤油・塩・①のよもぎも加えて混ぜ合わせます。

③漉しながら鍋に移し、鍋を火にかけて、練ります。

底からとろみがついてくるので、練り続け、…全体にとろみがついてから、さらに3分ほど練り続けます。=とろみがついてからさらに火にかけて練ることで透明感が出て、なめらかな食感になります。

④水でぬらした流し缶に入れて冷やし、かたまったら切り分けます。

⑤白味噌を同量のだし汁で溶きましょう。溶きからしは汁の一部で溶きのばしておきます。

⑥器に④のよもぎの葛豆腐を入れ、⑤の白味噌を注ぎ、菜の花を添え、溶きからしを添えたら食卓へ…