パイオニアアップルケーキpioneer apple cake

1774年アメリカ合衆国マサチューセッツ州レミンスターで生まれたジョン・チャップマンJohn Chapman は、「ジョニー・アップルシード」の愛称で呼ばれ、アメリカでは知らない人はいないヒーローです。

この頃のアメリカは大西洋に面した東海岸にイギリス人が入植して植民地が形成され、1775年からは独立戦争が始まる… まさにアメリカ合衆国がうぶ声をあげんとする時期にあたります。

彼は成人すると西部の開拓地一帯を、りんごの種を蒔いて歩いたとして歴史に名を残していますが、

開拓当初「西部」と呼ばれたエリアは現在のアメリカ東部から中西部にあたり、原住のインディオの人々が散住する未開の地 西部へ領土を拡大しようとするイギリス本国の思惑や、暮らしやすい新天地を求める開拓者達と、先祖代々の土地を守ろうとするインディアン達との争い さらに獲得した西部の利権をめぐる開拓者同士の争いがひしめいて「ワイルド・ウエスト」と呼ばれる無法地帯でした。

そんな西部に現れた彼はコーヒー豆用の麻袋を外套にしてまとい、鉄製の粥鍋を帽子がわりにかぶり、素足で歩いて旅を続け、りんごの種を蒔いて回ったと伝わります。その後にはりんごの木が育ち、その実は入植者や新天地を求めて旅する開拓者の貴重な食料となりました。さらにアップルサイダーに醸造されて、不衛生な生水に代わる飲料として人々の健康を守り、開拓生活を支える命綱にもなったのです。

過酷な開拓生活を生き抜き、生活を築いていった人々の生命力と、強い意思を想うと圧倒されるばかりですが、そんな中で家族のために焼くリンゴケーキは身近にある食材を混ぜ合わせて、オーブンのトレイにザァ~と流し入れて焼いたおおらかで素朴なもの その流れを受け継いだりんごのケーキは「パイオニアアップルケーキ」と命名し、アメリカ仕様レシピの半分量でご紹介しています。

バターを使わず、サラダオイルを使うヘルシーレシピ。材料を順次加えて混ぜて、焼き上げます。

パウンド型を使うのもよし、オーブンの天板にクッキングシートを敷いて流し入れて焼くもよし…素朴な美味しさが嬉しいレシピです。

パイオニアアップルケーキ

《材料》パウンド型 Sサイズ 3台分、オーブン皿1台分

サラダオイル(米油)  150g

砂糖(粗製糖)     150g

小麦粉         250g

ベーキングパウダー   小2

卵           2個

りんご(紅玉)     4個

ラム酒(レモン汁でも) 大1

*くるみ、レーズン各半カップほど加えると、風味が加わります。

くるみは160℃のオーブントースターで10分ほど焼いて冷ましたものを、

レーズンはラム酒漬け:『ラムレーズン』がお勧めです。

《作り方》

*小麦粉とベーキングパウダーを合わせてふるっておきます。

*型にオーブンペーパーを敷いておきます。

① りんごは8割にして1cm厚に切ります。

② ボウルに卵を溶き、砂糖を入れてよく混ぜます。

③ サラダオイルを少しずつ加えながら混ぜ合わせ、ラム酒も加えて混ぜます。

④ りんごを入れて混ぜ、小麦粉も加えて混ぜ合わせ、型に入れます。

⑤ 180℃の予熱したオーブンで40分ほど こんがり焼き色がつくまで焼きましょう。