ルバーブのパウンドケーキとルバーブジャム
ルバーブはフキによく似た姿のシベリア原産の野菜で、大きな葉はシュウ酸を多く含むため食用には向かず、もっぱら茎が利用されます。
名前の由来は「異国の根っこ」を意味するラテン語から… 古代ギリシャやローマでその根を薬用としていたため「異国の根っこ」と呼ばれていた呼称が今に残っているようです。イギリスの修道院にアラブ経由で薬草として伝えられたとの記録が残っており、少なくとも16世紀後半には野菜として食べられていたようです。18世紀に入り、砂糖の流通量が増えると、ルバーブの酸味を活かした甘いお菓子が人気を集め、イギリスを中心とするヨーロッパやアメリカで食材として定着していきました。
その利用法は、生のまま食されることもありますが、しっかりとした酸味と渋み、独特の青臭もあるため、甘みを加えて果物と同じような使われ方をされることが多いようです。
酸味の強いりんご:紅玉がお菓子に使われてその魅力を発揮するように、ルバーブも甘みを加えて調理することでパンチのある酸味が活かされる!というわけですね。
さらに一見繊維質で固そうにみえる茎ですが、加熱するとたちまちトロ~ンと崩れて柔らかくなりますので、ジャム作りにはもってこい!
その鮮やかな赤色も魅力として活かしたジャムやジュース、ケーキやパイなどのお菓子づくりに欠かせない食材として親しまれてきたのです。
日本には明治時代初期に紹介され「食用大黄(だいおう)」の和名をいただいたものの、当時の日本人にはあまり好まれず、停滞が続きましたが、1920年頃から長野県で栽培が始まり、徐々に栽培地域も増えて、現在では北海道や長野県など冷涼な気候の地域で栽培されています。
植物繊維、アントシアニン、カルシウム、カリウムなどのミネラルやビタミン類など健康や美容効果の高い成分を豊富に含むことで、近年とみに注目を集めていますね。
栽培品種には赤、青(緑)、赤青混色、ゴールドの4種類ありますが、日本で流通しているのは、赤と青がほとんどです。
6月下旬 長野県のアンテナショップ『銀座NAGANO』の店頭でみごとに鮮やかなルビー色のルバーブに出会いました! 朝晩の寒暖差が大きい信州の気候だからこそ実現する発色とのことで、艶やかな健康優良野菜ぶりに感動 買い求めて帰り、ケーキとジャムに… はじめて冷凍にも挑戦してみたのです。通販で購入できることを知り、以来毎年ルビー色のレバーブとのご縁が続いています。
材料を混ぜて焼くだけの素朴なホームメイドレシピですが、爽やかな酸味が蒸し暑い季節に嬉しい上々の出来栄えです。パウンドケーキの基本の生地よりお砂糖とバターの分量は抑えめです。ヘルシーなベジタブルケーキとジャムのレシピとしてご活用ください。
ルバーブのパウンドケーキ
材料 (パウンドS 2台分)
ルバーブの茎(+グラニュー糖大2) 370g
薄力粉 180g
アーモンドプードル 180g
ベーキングパウダー 小1.5
無塩バター 150g
粗製糖 120g
卵 3個
くるみ 1.5cup
《作り方》
*今回はくるみ(1cup)も加えて焼いてみました。コクが加わってお勧めです。生のくるみを160℃のオーブンで15分ほど焼いてから使います。
① ボウルにバターと粗製糖を入れ、白っぽくなるまで泡だて器ですり混ぜます。
② 卵を1個ずつ加えてよく混ぜます。
③ 薄力粉、アーモンドプードル、ベーキングパウダーを合わせてふるい入れ、ルバーブ・くるみも加えて混ぜ合わせます。
④ オーブンペーパーを敷いた型に生地を入れ、表面を均します。
⑤ 180℃に予熱したオーブンで45~50分焼きましょう。途中ケーキ表面が焦げてくるようでしたら、アルミホイルを被せます。竹串をさして、生地がついてこないようになれば、焼きあがりです。
*粗熱が取れたら型から出してください。翌日には生地が馴染んでしっとり… ミルクティーと一緒にお楽しみください♪
*冷蔵保存で4~5日、カットした後10~20秒レンジにかけると生地の〝しっとり〟が戻ります。
ルバーブジャム
《材料》
ルバーブ 500g
グラニュー糖 200g
レモンしぼり汁 大2~3
《作り方》
① ルバーブは2cmほどの小口切りにして小鍋に入れ、グラニュー糖とレモン果汁も加えて混ぜ合わせ、30分〜1時間ほどおきます。
② ルバーブからでた水分はそのままに、鍋を中火にかけ、ヘラで混ぜながら煮ます。アクが出てきたら弱火にして、アクをとりながらぽってりするまで煮詰めましょう。
…お鍋を火にかけてからここまで15分ほど
③ ジャムが熱いうちに煮沸消毒済みの保存瓶に入れ、蓋をしてさかさにして冷まします。
*ルバーブは茎のまま冷凍できます。使う時は半解凍状態でカットして調理します。