レモングラス 花言葉は「爽快」
ススキによく似た姿で風にそよぐのはレモングラス 我が家とのお付き合いもすでに10年になろうかというお馴染みさんで、葉に触れると爽やかなレモンの香りが漂います。日本の高温多湿な夏が大好きで、他のハーブ達が雨と湿気に苦しむ梅雨のジメジメをものともせずに成長して、夏から秋にかけて1mほどに葉をのばして茂ります。その間 数本刈り取ってはハーブティーに、そしてグリーンカレーのベースにと、使うのですが、大株に育った今となっては、ビクともせず優雅に風にそよいで夏越しです。
そして…秋も深まり11月下旬になると、首をたれて元気がなくなるので根元から5cmほど残してカット 乾燥させたら、主にクラフトの材料として大活躍… その成果?は後ほどのお楽しみに…
栽培当初はガイドブックの指導に従い、冬前に株を掘り上げ、鉢にあげ、屋内で越冬させていたのですが、真冬の屋内で、刈り込まれた株から青い葉っぱがひょろひょろ伸びてくるではありませんか! 「大丈夫かも…?」の思いで、株が大きくなってきた3年目から屋外での越冬を決行…葉っぱを刈り込んだ株の上に保温のために藁をかぶせておいたところ、春遅くに芽をだしてくれたのです。
以来毎年屋外で越冬し、病気や虫の害もなく水やりをしたこともないのに、そんな放任栽培を謳歌するかの健康優良ハーブの筆頭です。
精油成分『シトラール』
レモングラスに含まれる精油成分のうち80~90%ほどを占める主成分は『シトラール』
レモンと同じ香り成分で、「レモンのような香りを放つ細長い葉Glass leaf:イネ科の葉の細い草」が『レモングラス』の名前の由来です。
シトラールはそのすっきりとした香りが副交感神経の働きを助け、精神の調和を促すため、眠気を覚まし、うつな気分を和らげ、気持ちをリフレッシュさせてくれる効果をもつメンタルに嬉しく頼もしい成分。
さらに「天然の抗菌剤」とも言われるほど殺菌抗菌作用があるため、風邪などの感染症の予防や腹痛、下痢の緩和に、水虫の治療にも利用されるなどその活躍は多彩です。
胃の働きを助けて消化を促進し、脂肪の分解を促す消化促進効果もあると知ると、食べ過ぎて胃もたれしたときや胸やけするとき、ハーブティーに癒されるのは、理にかなった体の反応なのだと、改めて納得
『シトラール』以外のレモングラスに含まれる成分『ゲラ二オール』や『ネラール』はその香りを虫が嫌うため防虫スプレーにも使われる有用成分です。
この香りを嫌う猫も多いので、猫除け効果も期待できるそう。乾燥させた葉を使って作るサシェをクローゼットに忍ばせると防虫効果を期待できるのはこの『ゲラ二オール』や『ネラール』のおかげさまなのです。
この効果を期待したレモングラスの植栽をインドの紅茶産地ダージリンで見かけたことがあります。ヒマラヤ山脈の麓2000mの高地に広がる茶園のそこここにレモングラスがそよいで、「無農薬栽培を進めるにあたり、害虫回避に効果的」とのことでした。冬の寒さが厳しいかの地でも健気に冬越ししてお茶の葉を害虫から守っている姿が印象に残っています。
レモングラスはインド原産のハーブで、数千年前から栽培され、伝統医学アーユルヴェーダでは、伝染病・発熱・鎮静・殺虫などに効果がある生薬として用いられてきた歴史をもつハーブです。茶園のレモングラス使いはそんな歴史の上に紅茶の有機栽培に一役買っているのですね。
暮らしの中のレモングラス
*ハーブティーに… フレッシュな葉を使って抽出したハーブティーは香りも色も「創造主:神さまからの贈り物」をしみじみ感じられる自然の恵。ミントやカモミールなどとのブレンドも愉しみが広がります。葉っぱの分量やブレンドの割合など、難しく構えなくても、大丈夫! そんなフレッシュリーフティーの水色をお写真でお届けしますね。→
刈り取って3~4cmにカットし、乾燥させておけば、季節を問わず使えます。
*紅茶や緑茶に加えて…フレッシュな葉を2~3カット加えて抽出すると爽やかな風味をプラスすることができます。
*白ワインがハーバルワインに変身!…少々期待外れな白ワインも、ボトル1本(750ml)に15cmほどにカットした葉を10枚ほど入れて冷蔵庫へ。1日もすれば、香りが移って新生レモンのフレーバードワインとして楽しめます。
*バスタブに葉を入れてみて… 爽やかな香りが立ち上り、そのリフレッシュ効果はいつまでも浸かっていたいほどの心地よさ…。
*クラフトに…まず刈り取って乾燥 クラフト利用にあたっては、湿らせてから揉めば柔らかく加工しやすくなります。鍋敷き、しめ縄にと使えます。
サシェに仕立ててアロマを楽しみ、クローゼット内に設置すれば防虫効果も期待でき、さらに優秀なシューキーパーとしても! シューキーパに使用する場合は臭いの吸着作用のある重曹も加えて作ると効果的です。
*料理にも…葉先から根元まで香りがありますが、根元部分がもっとも香りが強く、タイやベトナムなど東南アジアではこの茎の根元の太い部分の皮をむいて細かく刻み、カレーやスープに加えて使います。タイのスープ『トムヤムクン』には薄切りにしたこの根元の部分が浮かんでいますね。
グリーンカレー フレッシュハーブを使う色・香・味三拍子揃った自慢のレシピです。
【グリーンペースト レシピ】
《材料》4人分
青唐辛子 5~10本
パクチー 50g
レモングラス 2~3本
ニンニク 20g
生姜 20g
ナンプラー 大3
オリーブオイル 大3
レモン果汁 小2
カレーパウダー 小1.5
*青唐辛子は縦半分に切って種を除いてから使います。私は5本使用で作りますが、辛いもの好きな方はお好みで調整してください。青唐辛子は秋赤く熟す前:夏に収穫されるもので、辛味は少しやわらかく、爽やかな風味が持ち味です。青唐辛子が手に入らない場合は『青柚子胡椒』を使ってみて…こちらもまた美味!楽しめます。
《作り方》
フードプロセッサーに全ての材料を入れて、廻し、ペースト状にします。
*表示の4人分をフードプロセッサー使用で作ると材料が少ないため空回りしがちで、レモングラスの葉の繊維が残り、食感がざらついた仕上がりになります。フードプロセッサー使用ならこの2~4倍量で、4人分の分量を作る場合はミルミキサーやバーミックスを使われるとなめらかなペーストが作りやすくお勧めです。
【グリーンカレー レシピ】
《材料》4人分
鶏もも肉 2枚
エビ 8尾
玉ねぎ 1個
ゆでたけのこ 150g
パプリカ 赤・黄 各々 1/2個ずつ
エリンギ 1本
オクラ 4本
ココナツミルク1缶(400ml)
グリーンペースト 全量
青柚子胡椒 適量
ナンプラー 適量
レモン果汁 適量
塩 こしょう 少々
オリーブオイル
《作り方》
① 下ごしらえをする
『鶏もも肉』は一口大に切り、塩胡椒をしておきます。
『エビ』は殻をむき、背わたを取って洗い、ボウルに入れ、塩で揉む → 片栗粉(大1)と水(大2)を加えてよく揉み込む → 汚れが浮いてきたらザルに上げ、流水でよく洗い流す → 水気を切って塩胡椒をしておきます。
『玉ねぎ』はみじん切りにしておきます。
『ゆでたけのこ』は食べやすいサイズに切ります。
『パプリカ』は5mm幅に切っておきます。
② 鍋に油をひき鶏肉を皮目から焼き、取り出す。エビも焼き、取り出す。
③ 鍋に玉ねぎを入れ、透明になるまで炒め、パプリカ・エリンギも加えて炒め合わせます。
④ ③の鍋にココナツミルク・グリーンペースト・たけのこを加え、鶏肉とエビも戻し入れます。…煮立ったら弱火にして煮込み、柚子胡椒、ナンプラー、レモン果汁、塩胡椒で味を整えて … 召し上がれ
ヤムウンセン
ヤムは「混ぜる、和える」、ウンセンは「春雨」…ヤムウンセンは魚介や肉と野菜を和えたタイの春雨サラダです。調味液に使うレモンまたはライムの爽やかな酸味とナンプラーが風味の決め手 緑豆のでんぷんから作られる腰のある春雨の食感も美味しさの秘訣です。グリンカレーと合わせてどうぞ…
《材料》4人分
海老(冷凍) 8尾
豚挽肉 50g
ニンニク 1片
緑豆春雨 50g
紫玉ねぎ 1/4玉
きゅうり 1/2本
パクチー 2~3束
生姜薄切り 2~3枚分
塩 胡椒、ごま油はお好みで適宜
【調味液の材料と作り方】
*レモンor ライムの搾り汁 大3
*ナンプラー 大3
*砂糖 大2
小さなボウルに調味液の材料*全てを入れ、よく混ぜます。
① 紫玉ねぎは薄切り、きゅうりは縦半分にしてから斜め薄切りに
パクチーは軸と葉を分け、軸は3cmに切り分けます。
② 海老の解凍と下処理…ボウルにぬるま湯1Lを用意し、塩・重曹各大1入れて溶かし、海老を20分ほど浸して解凍し、背わたを取ります。→ 鍋に海老が浸る分量の湯を沸かし、パクチーの軸、生姜、海老を入れてすぐ火を止めます。→ 蓋をしてそのまま10分蒸らし、海老に火が通ったらザルに上げ、(殻と尾を取り除き)背わたをとってから、水気をよく切ります。
③ 春雨は沸騰したお湯に入れて3分ゆで、ザルに上げて水気を切り、ボウルに移しておきます。
④ フライパンにサラダ油大1とニンニクの薄切りを入れ、香りがたったら、豚ひき肉を加えて色づくまでよく炒め、肉汁ごと③のボウルに入れて春雨と和えます。
⑤ ボウルに 海老、春雨、紫玉ねぎ、きゅうりを入れてよく合わせ、合わせておいた調味液を加えて全体によく混ぜます。
塩・こしょうを振り、お好みでごま油を加えて和え、器に盛って、パクチーの葉を散らしたら、食卓へ… 冷やすとより美味しくいただけます。