水無月みなづき
古代より世界各地で洞窟や横穴を利用して、さらには藁や石を積み上げ小屋やドームを造って冬場の雪や氷を貯蔵しておき、暑い季節の食品保存や納涼に使う工夫がなされてきました…そんないにしえ人の暮らしを想わせる天然利用の冷蔵庫は英語圏では「ice house」、日本では「氷室:ひむろ」と呼ばれたのですが、中には今でも現役!お仕事続行中の史跡もあるようです。
我が日本の事情はといいますと、京の都には6所の氷室があったとされ、そのうちの1つ「衣笠氷室町」の地名が往時を伝えています。
平安時代から 宮中では旧暦の6月1日の頃 氷の節句の行事として氷室から氷を取り寄せて暑気払いをしていたそう…。その氷に似せて作られたお菓子が水無月です。三角形にカットするのは氷のかけらを表現し、上に乗せる小豆には悪魔払いの願いが込められた『水無月』は、いつしか夏から残り半年の無病息災を祈願する行事「夏越祓(なごしのはらえ)」に因んで6月晦日に食べられるように… 夏の暑さを乗り切り、厄除けも兼ねた縁起の良いお菓子です。
《材料》約13cm×15cm×5cmの流し缶
本葛粉 30g
白玉粉 20g
薄力粉 70g
グラニュー糖 80g
ぬれ甘納豆 150g
水 1cup
《作り方》
① ボウルに本葛粉と白玉粉を入れ、水を1/4程度加えてよく溶かしてから薄力粉とグラニュー糖を入れ、残りの水を少量ずつ加えて泡立てないようによく混ぜます。
② ダマが無くなり、なめらかになったら、裏ごし器を通して濾します。
③ ②の生地のうち80mlを取り分けて残しておきます。
流し缶の中側をさっとぬらしてから、残りの生地を流仕入れましょう。
④ 蒸気のあがった蒸し器に③を入れて、強火で透明感が出るまで20分ほど蒸します。
⑤ 一旦取り出し、… 生地の表面に水蒸気がついていたらクッキングペーパーをおいて、水分を吸わせてとります。
⑥ 上に「ぬれ甘納豆」を散らし、手のひらで表面をならします。
⑦ 残しておいた生地を全体に流し入れ、再度10分間強火で蒸し、透明感が出たら蒸しあがりです。
⑧ 冷めたら型から出して、三角形に切り分け、冷蔵庫へ…
30分ほどを目安に召し上がれ! 冷やしすぎると固くなりますからお早めに…。